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14 外部リンク 概要 約11,500種類に及ぶ海水魚のうち、およそ2,900種が水深200mより深いところに生息する深海魚である[2][3]。これらは海底近くで暮らす底生性深海魚と、海中を漂う遊泳性(漂泳性)深海魚とに、ほぼ同数に分けられる[4][5]。 光の届かない深海には光合成を行う植物(海草や植物プランクトン)が存在しないため、深海における食物連鎖格安航空券 国内の基礎を支えるのは浅海の動植物である。浅海で消費されなかった生物の遺骸や排泄物は、マリンスノーとなって沈降し、最終的に深海に降り積もる。これらの沈み行く有機物はオキアミやクラゲなど浮遊性の深海生物に消費されるほか、深海底に堆積した後は貝類やナマコなどの底生生物のエネルギー源として利用される。彼ら自身は(深海魚を含む)さらに大型の深海生物によって捕食され、深海での食物連鎖を形成する。 深海は高水圧と低水温に阻まれた暗黒の海域である。また、利用可能な総エネルギーは浅海で生産されるうちのごく一部に過ぎない。深海魚はこの極限とも言える環境に適応するため、浅海の魚類には見られない特殊な身体構造および生活様式を獲得している。 研究史 深海生物の存在 その過酷な環境のため、夜行バス深海に生物が存在するかどうかは長く不明であった。1839年にイギリスの博物学者であるEdward Forbesは、調査船による観測結果を元に「深海(水深550m以深)には生物が存在しない」という「深海無生物説」を提唱した[6]。しかし、その後の底引き網や海底ケーブルを用いた各国の調査により、深海から相次いで生物が採取され、この説はすぐに否定されることになる。深海生物の存在を決定的に証明したのは、1872〜76年にかけて行われた英国海軍のチャレンジャー号による大規模な世界一周探検航海である[7]。この航海がもたらした膨大な海洋学的研究成果をきっかけとして各国の海洋調査は本格化し、深海魚研究の歴史も幕を開けた。 深海探査艇の登場 トリエステ号内部のジャック・ピカールとドン・ウォルシュ 生身の人間が直接大深度に潜行することはできないため、深海探査には常に困難が付きまとう。漁網中に混獲されたり、海岸に打ち上げられたりした深海魚も時として貴重な標本となったが、彼らが実際に生きている姿(場所や生態)を伝える情報は損なわれていることが多かった。19世紀後半以降、ワイヤーロープや底引き網の改良により大深度からの標本採取が可能になったものの、深海魚を直接観察することは依然容易ではなかった。兵器としての潜水艦は第一次世界大戦時には既に実用化されていた一方で、学術目的での潜水機器開発は遅れていたのである。 1928年、有人の潜水球(バチスフェア)高速バスが開発され、ようやく深海魚の観察が可能になった。バチスフェアは無動力ではあったが、深度923mまでの潜水に成功している。そして1948年、オーギュスト・ピカールにより自前の動力を有した深海探査艇、バチスカーフが建造された。バチスカーフは複数の後継機が作られ、深海魚の生態観察や大深度での標本採集に強力な手段を提供した。20世紀後半から現代にかけては、日本のしんかい6500やアメリカのアルビン号などによる調査を通じ、深海魚の生活様式・環境への適応についての情報が蓄積されつつある。 世界最深の魚類 1960年、バチスカーフの後継機の一つであるアメリカのトリエステ号がマリアナ海溝のチャレンジャー海淵を目指して有人潜航を行った。乗船していたジャック・ピカール(Jacques Piccard、オーギュストの息子)は、到達した最深地点(水深10,900m前後)で「シタビラメに似たカレイの一種」を目撃したと報告した。一方、日本の無人探査艇「かいこう」が1998年に行った調査では、同地点で魚類を確認することはできなかった[8]。近年ではピカールによる「目撃報告」を疑問視し、ナマコの一種を見間違えたのではないかと考える研究者もいる[9]。 確かな科学的裏付けを持つ例として、これまでに最も深い場所から採集された深海魚はアシロ科のヨミノアシロ Abyssobrotula galatheae である[10]。デンマークの調査隊がプエルトリコ海溝の水深8,372mから本種を引き揚げたのは1952年のことで、学名には当時の調査船Galathea号の名前が冠されている[11]。他に、クサウオ科のシンカイクサウオとカイコウビクニン、およびアシロ科のソコボウズが7,000m以深で観察されている[12][13]。 深海魚の分布 水平分布 深海に有機物を供給するのは、夜行バス浅海と陸地である。このため、一般的に深海魚(および他の深海生物)は陸に近い海域ほど多く、外洋に出るほど少なくなる[14]。また熱帯域の外洋では対流が起きないため表層の生物が少なく、利用可能な堆積物に乏しい荒涼とした海底が広がることもある。 ペリカンアンコウ(Melanocetus johnsonii)。チョウチンアンコウ類は種類が多く、漸深層の遊泳性深海魚としては最もありふれた存在である 鉛直分布 海を深さによって鉛直方向に区分した場合、表層・中深層・漸深層・深海層・超深海層に分けられる[15][16]。 中深層 中深層(水深200〜1,000m)には、わずかながら日光が届く。遊泳性の深海魚としてはワニトカゲギス目に属するヨコエソ科・ムネエソ科魚類と、ハダカイワシ目のハダカイワシ科魚類が種類と数の両面で卓越し、特殊な海域を除く全世界の外洋に広く分布している。底生魚としては軟骨魚類であるツノザメの仲間に加え、ソコダラ科、アシロ科およびトカゲギス類が支配的である。 漸深層 漸深層(水深1,000〜3,000m)は光の届かない暗黒の世界で、生物が利用できる有機物の量も次第に減少していく。SEO対策漸深層の遊泳性深海魚としてはチョウチンアンコウの仲間が優勢であり、他にはオニハダカ属やクジラウオ科の魚類がいる。ソコダラとトカゲギス類は、この領域でも数の多い底生性深海魚である。 深海層 深海層(水深3,000〜6,000m)になると水温は1〜2℃程度にまで下がり、ほとんど変化しなくなる。300気圧を超える水圧は、生物の細胞活動に影響を与える。遊泳性深海魚はほとんど姿を消し、アシロ科・クサウオ科・ソコダラ科の底生魚が見られるのみである。 超深海層 超深海層(6,000m以深)は海溝の深部に限られ、全海底面積の2%に満たない。水圧が600気圧を超えるこの海域に暮らす深海魚は、深海層と同様にソコダラ科、クサウオ科およびアシロ科に属するごく一部の底生魚しか知られていない。 身体構造 ミナミヤリエソ(Coccorella atrata)。上方に突き出した大きな両眼は、光の少ない環境への適応と考えられている 深海には太陽の光がほとんど届かないほか、高水圧、低水温、低酸素濃度、利用できる有機物が少ないなど、生物にとって過酷な条件が揃っている。深海生物に共通して見られる高水圧への適応として、酵素の圧力に対する感度が低いこと、細胞膜の流動性が低下していることが挙げられる[17]。以下には、深海魚が持つ特殊な身体構造について示す。 骨格・筋肉 魚類の身体中に含まれるタンパク質や骨格の比重は、通常は海水より大きい。浅海魚は遊泳や浮き袋で浮力を得ているが、利用可能なエネルギーに乏しい深海では、深海魚は極力遊泳せずに浮力を確保する必要がある。多くの深海魚で体内の骨・軟骨・筋肉の量は減少しており、代わりに低比重の水分と脂肪分を多量に含んでいる[18]。 浮き袋 浮き袋(鰾)は浅海魚が浮力を得る一般的な手段であるが、深海では極度の高水圧のため、通常のガス交換による浮き袋の機能には期待できない。高水圧と急激な圧力変化に耐えるため、深海魚には浮き袋の壁を頑丈なグアニン結晶で覆う、あるいは内容物を気体ではなく脂肪やワックスに置換するなどの適応が見られる。特に餌を求めて深海と浅海を往復する習性を持つ深海魚は、毎日数百気圧に及ぶ圧力変化を受けることになる。ハダカイワシ類はこのような習性を持つ深海魚で、その浮き袋は脂肪で満たされている。 深度が大きくなるに従って、高水圧に逆らいガス交換(特に分泌)を行うことへの負担も増大する。大深度に生息する遊泳性深海魚は、浮き袋を持たない種類が多い。一方で底生性魚類は、海底付近からあまり離れず急激な圧力変化を受けないためか、大深度でもよく発達した浮き袋を持つ場合がある。 眼球 トガリムネエソ(Argyropelecus aculeatus)。上向きの管状眼と、著しく側扁した平べったい体を持つ 透明度にもよるが、水深1,000m程度まではかろうじて日光が届くため、この領域に住む深海魚には体に対して非常に大きな眼球を持つものがいる。さらにムネエソ類やヨコエソ科魚類など、目を管状に変形させた管状眼を持つ種類もある[19]。深海に達する光は散乱と屈折のため、太陽の位置に関係なく常に真上から降り注ぎ、日没まで光量の変化も少ない。ボウエンギョ科など一部の例外を除き、ほとんどの管状眼は真上を向いており、海面方向からの光に対応している。 なお、同様に暗黒条件下の洞穴生物では、深海魚とは対照的に眼の退化する例が多い。深海魚の場合、洞穴とは異なりわずかながら光が差し込むこと、種によっては浅海への移動があること、発光生物が多いことが影響していると考えられる。 1,000m以深の漸深層は光がまったく届かない暗黒の世界で、この領域には落ち窪んだ小さな眼を持つ深海魚が多い。ソコオクメウオのように目が皮膚の中に埋もれてしまったもの、チョウチンハダカのように板状の網膜しか残っていない深海魚もいるが、光を検出する機能は依然として残されており、退化ではなく特殊化と捉える方がより適切と考えられている[20]。漸深層においてまばらに明滅する生物発光を捉えるためには、先細りの小さな眼球の方が適しているという報告もある[21]。これらの眼は通常の眼よりも空間分解能に優れ、2〜30m程度離れた場所の発光を捉えるのに適しているとされる。遊泳力の低い深海魚にとって、視野を比較的狭い範囲に限定することは、エネルギー効率の面で合理的である[22]。 消化器 フクロウナギ(Eurypharynx pelecanoides)は非常に大きな口を持つ深海魚として知られる 自分よりも大きな獲物を飲み込んだオニボウズギス(Chiasmodon niger) 深海魚には体のサイズと比較して、かなり大きい口を備えたものがいる。フウセンウナギ目に属するフウセンウナギ、フクロウナギなどが知られ、後者は熱帯から温帯の水深550-3,000mに比較的普通に見られる[23]。一見すると頭が異常に大きいように見えるが頭蓋骨は小さく、大きな口は極端に発達した顎の骨に支えられている。フウセンウナギが鋭い歯を持ち大型の獲物を飲み込むのに対し、フクロウナギの顎には歯がほとんどなく、小型の魚やプランクトンをかき集めて食べている。他にも深海ザメの一種であるメガマウスなど、大型の口を持つ深海魚は多く存在する。 また、チョウチンアンコウ類やクロボウズギス科の魚など、食道や胃を大きく拡張させることのできる深海魚もいる[24]。オニボウズギスは自分の何倍もある獲物を飲み込むことが可能で、腹部を異常に膨らませた状態で捕獲されることがある。 体色 クジラウオ科の一種(Cetomimidae sp.)。鮮やかな紅色の体色、発達した側線と小さな眼が本科の特徴 深海の中では比較的明るい中深層に住む魚類では、体表面の銀化による擬態が見られる。ムネエソ類は厚さ数ミリの平べったい体を持ち、表面はアルミホイルのような光沢のある銀色を呈している。彼らの体表面にはグアニンによる微小な反射性結晶が、何層にもわたり正確に並んでおり[25]、鏡のように光を反射して捕食者に自らの姿を認識されないようにしている。ムネエソ類の一部は夜間には反射効率を低下させ、生物発光の反射による発見の危険性を減らすことができる。 水深600m付近から、深海魚の体色は銀白色から鉛色へと急速に変化し、1,000mの漸深層に達するとほぼ均一に暗色となる[26]。クジラウオ類の多くは赤い体色をしているが、青い波長の光しか届かない深海においては、黒色同様ほとんど目立たないと考えられる。 発光 トドハダカ(California headlight fish; Diaphus theta)。ハダカイワシの仲間は、発光バクテリアの力をバリ借りない自力発光を行う 生物発光は深海生物の重要な特徴の一つで、多くの深海魚がこれを行う。東部北大西洋では、500m以深に住む深海魚の7割、個体数にして9割以上が発光するとされる[27]。発光は発光基質(ルシフェリン)と発光酵素(ルシフェラーゼ)の化学反応によって起こる。深海魚による生物発光には、発光バクテリアを体内に住まわせることによる共生発光と、自身が発光基質を作り出す自力発光とがある。発光する部分は、鰭の末端、腹、口など様々である。 共生発光 ソコダラ科の一種(Macrouridae sp.)。ソコダラ類は消化管と繋がった発光器を持つ このタイプの発光を行うのは比較的少数の深海生物であり、遊泳性の魚類ではチョウチンアンコウとニギス類、底生性魚類ではソコダラやチゴダラの仲間が代表的である[28]。このうちチョウチンアンコウ類を除く3グループの発光器は消化管から連続して発達しており、腸内細菌叢で維持された発光バクテリア(主にPhotobacterium phosphoreum)が持続的に補給されていると見られる。発光器の数は少なく、通常1〜2個である。 チョウチンアンコウ類の発光器官は擬餌状体の先端に位置し、消化管とは繋がっておらず、発光バクテリアがどこから来ているのかは不明である。ビブリオ属の細菌であることは判明しているものの、人工培養にはいまだ成功していない。 自力発光 オニアンコウ属の1種(Linophryne arborifera)。頭部の擬餌状体では発光バクテリアによる共生発光を、下顎の髭状構造物では内在性発光器による自力発光を行う 深海魚を含めた多くの深海生物は、自分自身で産生したルシフェリンを利用した自力発光を行う。一般に発光器の数は多く、数百から数千に達する[29]。発光器の開口部にレンズやフィルター状の構造を伴う場合もあり、沖縄旅行 レンタカー光量や照射方向、発光色の調節に役立っている。